潰瘍性大腸炎(UC)で悩んでいる方にとって、「食べ物で腸の炎症が悪化しないか」は大きな関心事ですよね。
近年注目されている リーキーガット症候群(腸漏れ) と潰瘍性大腸炎にはどのような関係があるのでしょうか。
また、「免疫力を高める」と話題の R-1ヨーグルト は本当に良いのでしょうか?
本記事では、両者の関係性と食生活へのヒントをまとめます。

リーキーガットとは?潰瘍性大腸炎との関係
リーキーガット症候群とは、腸の粘膜バリアが弱まり、未消化物や毒素、細菌などが腸壁を通過してしまう状態のことです。
これが血流に入ると免疫反応を引き起こし、慢性的な炎症につながると考えられています。
一方、潰瘍性大腸炎は自己免疫反応による腸の炎症。最近の研究では、UC患者は健常者より腸管バリアが脆弱で、リーキーガット状態に近いことが報告されています。
👉 言い換えると、潰瘍性大腸炎とリーキーガットは「原因と結果のどちらが先か」は不明ですが、互いに悪循環を作りやすい関係にあるのです。
ヨーグルトは潰瘍性大腸炎に良い?悪い?
乳酸菌を含むヨーグルトは「腸内環境を整える食品」として知られています。とくに R-1ヨーグルト は「免疫力を高める乳酸菌」として人気がありますが、UC患者やリーキーガットが疑われる人には注意点もあります。
ヨーグルトのメリット
- 善玉菌を増やし、腸内フローラを改善
- 腸管バリアを補強する可能性
- 一部研究では炎症の軽減効果も報告
デメリットの可能性
- 乳糖不耐症や乳製品に敏感な人では、下痢・腹痛を引き起こす
- 炎症期には乳製品が腸に負担となるケースがある
- R-1の「免疫活性作用」が、自己免疫疾患の人にとって過剰反応になる懸念も
R-1ヨーグルトはリーキーガットの原因になる?
「R-1ヨーグルトは免疫を刺激するから、逆にリーキーガットを悪化させるのでは?」という不安の声もあります。
現時点で、R-1ヨーグルトそのものがリーキーガットの直接の原因になる、という科学的証拠はありません。
ただし、体質や腸の状態によっては合わない場合があるため、以下のように調整すると安心です。
- 体調が安定しているとき → 少量から試す
- 再燃期や腹痛・下痢があるとき → 乳製品は控える
- 代替案 → 発酵野菜(ぬか漬け、キムチ)、サプリメントの乳酸菌
潰瘍性大腸炎患者がヨーグルトを取り入れるコツ
- 毎日同じ種類・同じ量で試す
→ 体調の変化を比較しやすい - 症状日記をつける
→ 下痢や腹痛の有無をチェック - 無糖タイプを選ぶ
→ 砂糖は炎症を悪化させやすい - 量は少なめから
→ スプーン数杯で様子を見て調整
まとめ|「良い・悪い」は人によって違う
- 潰瘍性大腸炎の人は、すでにリーキーガット状態に近いと考えられる
- ヨーグルト(R-1含む)は腸に良い可能性もあるが、人によっては炎症悪化の原因になる
- 大切なのは「一律に良い・悪い」と決めつけず、自分の体調を観察しながら取り入れること
👉 潰瘍性大腸炎とリーキーガットに悩む方にとって、食事はとても重要な要素です。
「ヨーグルトが合うのかどうか」は他人の意見ではなく、自分の腸がどう反応するかを基準にしてください。